丹田から出た声は必ず聴く人の心の奥までひびく

M.K様(小学校 音楽専科教師)
 
6年前赴任したとき、まず驚いたのは、学校行事の中に音楽発表会等の行事がひとつも無かったことでした。

例年11月に行われる学習発表会は全学年が総合学習の発表と決められており、せいぜい発表の前後に歌を1曲歌う程度で、長年に渡ってそのような状況が続いてきていると聞き、唖然としたことが思い出されます。

このままでは、子ども達の表現力を伸ばすことはできないと考えた私は,前任校で実践していた5・6年各クラスごとの音楽発表会を音楽専科の公開授業の一環として行うことを思い立ち、赴任1年目から継続してまいりました。

発表場所は、音楽室。発表内容は歌を2曲と器楽合奏を1曲だけの簡素なものですが、当初から思いの外たくさんの保護者の方々が来校され、2年、3年経つうちにその人数が音楽室に入りきらないほどに増えていきました。

また、校内全体にもこの取り組みを知ってもらいたいという思いから管理職、担任、担外の先生方にも案内を配り、下の学年のクラスを招いて高学年の音楽発表を真近で鑑賞できる機会としました。

プログラムのメインは一応器楽合奏ということになっていましたが、本来の意図は、4年生から積み重ねてきた丹田式発声法の成果を発表する場としてできるだけ多くの方々に子ども達の歌声を聴いていただくというところにありました。

当日ひととおり発表を終えた後は、下の学年の子ども達(今年は5年生)保護者、教職員の順に感想を求める場面を設け、特に保護者の方には一人ずつ述べてもらうようお願いしています。中には、一瞬戸惑う表情を見せる方もいますが辞退されたことは一度もなく、毎年子ども達の歌声への賛辞を多数いただいています。

今年度は、12月半ば近い時期にもかかわらず、どのクラスも発表当日30~40名以上の保護者の方々が来られ、5年生のクラスも入ると室内は、すし詰め状態でしたが、我が子の成長ぶりや子ども達の歌声に感動するあまり、涙で言葉にならないお母さんの姿が、どのクラスにも見受けられました。

「丹田から出た歌声は、必ず聴く人の心の奥まで届く」ということを実感させられる本当にすばらしいひとときでした。

門前 啓子
M.K先生は、この春でご退職されます。40年にわたり、子供達への音楽指導に尽力されました。ご苦労様でした。そして、ご退職おめでとうございます。M先生に育てられた子供達の歌声を聞かせて頂き、私もとっても幸せな気持ちになりました。

どのクラスも真っすぐで、どこまでも澄み渡るすばらしい歌声です。素直で、明るく、やさしい、私の思い描いた子供達の声でした。1クラス30人以上はいるであろう子供達の声が1つにとけあい、MDから聞こえて来る自然な歌声は、この発声法でしか表現しえない、すばらしい作品です。声を聞くだけで心が洗われる、まさに「天使の声」です。人間だれもが持っている「善」なる「心」が丹田という基根から発せられた息のエネルギーにのって 自我力のとれた声が1つに共鳴し合い、透明感のある歌声へと昇華されています。親ならば、涙がでてくるのは当然です。私も感激いたしました。森先生が、愛情たっぷりそそいで、ていねいにご指導されたことを 子供達が歌を通して私に伝えてくれました。

せっかくの指導力ですから、まだまだ現役で伝えて頂きたいですが、定年がある以上しかたがありません。人生120才までの時代です。そして、生涯現役人生を目ざし、少し休憩された後は、丹田発声協会で、子供達の合唱団を作る夢にご参加下さい。もう、すでに退職され研究所講師になってくださっている先生方と共に、力を合わせ「天使の声」を広げる社会貢献の輪を広げてまいりたいと思っています。ありがとうございました。